秋葉原の通り魔事件について

アニオタであったことが何故か取りざたされていることに関して何か言おうと思ったんだけれど、たぶんここを見ている人にとって特に目新しい意見は言えそうにないので難しい。マスコミについては面倒なので最後に一言だけ。


あらゆる犯罪に対して思うのは、動機と犯人の良心とリスク判断能力の問題。単純に考えれば動機が残り二つに勝ったから犯行に及ぶと考えられます。
まずリスク判断能力については、まぁ覚悟の上だったとして問題ないでしょう。逮捕の可能性以前に、捕まること自体が動機を打ち消すほどの問題ではなかったということ。
次に良心について……と言いたいところですが、私にはまったく想像できません。ましてや動機となると、今回の場合、殺傷そのものが目的としか思えないわけですから、これもまた同様。次に良心ですが、衝動的な犯行ならともかく、ある程度以上時間をかけて準備をしていることから考えて、まったく働かなかった点が理解できません。ましてや動機となると、「世間の幸福への憎悪」といった曖昧なものを勝手に想像するだけです。本音を言うと、そんな漠然としたもので人が殺せるとはまったく思えません。正直に言って、私は「人を衝動的でなく自覚的に直接的に害することにブレーキがかからない人間の気持ち」が理解できません。おそらく世間の大半の人間がそうだと思います。人殺しの気持ちを理解できる人間が大勢いる世界より健全でしょう。
というわけで、理解できないのですから仕方がありません。各自で好き勝手に自分に理解できないものとでも関連させなければ心が持ちません。たぶん、生物として仕方がないことでしょう。錯視の延長みたいなもので、脳が勝手に補完してしまうのでしょう。
人間だもの、学習します。君子危うきに近寄らず。「オタク(ここではアニオタの意)なんて犯罪予備軍だ」って見なしちゃいます。んで、私を含めた一部の人間はそれを過学習だと感じます。でも、それは大きなミステイク*1。オタクイコール犯罪予備軍だったりする可能性もまったくの零ではありませんので、一部の人たちが己の直感を信じてできちんとオタクを避けるのも良いんじゃないでしょうか。理論はともかく感情は自由です。様々な価値観を持った人間がいるからこそ、種は保存できるのです。


まとめると「いろんな考えの人がいて良いと思う。でも犯罪者とオタクを結びつける意見で論理的な物って見たこと無いなぁ」ってとこです。


ところでマスコミは自分たちがアニメを流していることを忘れて客(アニメ制作会社及び視聴者)に喧嘩を売っていることを自覚しているんでしょうか?


追記
ひょっとしたら、「弱者を攻撃して少しは自分を優位に見せたかった」とかいう物語としては使い古されたオチかと思ったけれど、アニオタに限ってそんな典型的な愚は犯さないと信じたい。

*1:「ソレ言いたかっただけやろ」とか言わないように。