確率とネイピア数

\frac{1}{n}の確率で当たりがでる籤をn枚買った時、当たりが1枚以上含まれる確率P_nは?

という問題が夢に出てきた。
もちろんP_n = 1-(\frac{n-1}n)^n なのだけれど、なんだか右辺第2項がネイピア数の定義e = \lim_{n\to\infty}(1+\frac{1}n)^nに似ていることが気になった。


というわけでP_nの極限P = \lim_{n\to\infty}\{1-(\frac{n-1}n)^n\}eで表せないかと考えたわけだが、なかなかうまく式変形できない。
ちょっと計算してみれば (\frac{n-1}n)^n\frac 1 eに近づいていくことは解るのだけれど、証明ができない。


で、散々悩んだ挙句、休日つぶして導きだした答えは下記の通り。
 (\frac{n-1}n)^n = (\frac{n}{n-1})^{-n} = (1 + \frac{1}{n-1})^{-n} = \{ {(1 + \frac{1}{n-1})^{n-1} ({1 + \frac{1}{n-1})}}\}^{-1}  \longrightarrow_{n\to\infty} e^{-1} = \frac{1}e
よって、 P = 1 - \frac 1 e
google電卓によれば、およそ63%とのこと。


そんな高校の教科書レベルの式変形に何時間もかけてしまった自分が情けない。
日常レベルの問題でもeって出現するんだね、というお話。

おまけ

ちなみに
e^x = \lim_{n\to\infty}(1+\frac{x}n)^n
なので、籤を2n枚ひくと1 - \frac 1 {e^2}でおよそ86.4%、
3n枚だと1 - \frac 1 {e^3}で95%。
nの3倍買って、漸く95%か……。