プリンセスハーツ 〜麗しの仮面夫婦の巻〜

執筆中、いまどきの中学生や高校生のお嬢さん方に、仮面夫婦って意味通じるのかしら〜、や、むしろ仮面夫婦って女の子なら一度はあこがれる形態よね〜、とか思いながら書いていたことはナイショです。

仮面夫婦もの。といってしまえばそれまでだが、はたしてそんなジャンル分けは存在しているのだろうか*1。まぁそんなことはどうでも良いか。ちなみに引用はあとがきから。
幼少時に人質として大国へ送られた王子ルシードは、その国の王女メリルローズと恋に落ちる。帰国後いろいろ頑張って国を継いだ彼は、当時の約束通りにメリルローズと結婚する……が、なぜか送られてきたのはメリルローズにそっくりな別人ジルだった。これは単細胞のルシードと頭の切れるジルの物語。

プリンセスハーツ~麗しの仮面夫婦の巻~: ~麗しの仮面夫婦の巻~ (ルルル文庫)

プリンセスハーツ~麗しの仮面夫婦の巻~: ~麗しの仮面夫婦の巻~ (ルルル文庫)

ちょっと気になったのはルシードの馬鹿さ加減。豪族をまとめあげるだけの力があるくせに国民へのメッセージが「ちゃんと朝メシは食え」ってどうなのよ。まあコバルトでよく見るタイプの王子サマのような気もするけれど。ジルはいろいろとトラウマ持ちでGood。無表情設定なんて珍しくもないけれど。とにかくこの二人が双方向にツンデレで楽しい。まぁ素直になれないというより所謂ただの鈍感といったほうが正確だけど。
お気にのサブキャラはルシードの秘書官マシアス。たぶん時計を持っているのはこの人だけ。別にルシードへアプローチをかけているという描写はないのだけれど、でもルシードのトイレの時間まで計測してしまう変態っぷり愛情には感動。殆ど活躍しない癖に目立ちまくる美味しいキャラ。

「“十字大街道”案のために会議が招集されてから、実に一年と二ヶ月二日四時間三十八分を費やしたのですよ。まったく、ばかばかしいことだ。これだけの時間があれば、殿下はトイレに二十年籠もれます」
「うるさい」
「ちなみに、殿下のお籠もり時間の平均は、十二分と三十七秒で…」

これが職業的ストーカーという奴か。(違
絵にはかなり抵抗があるのだけれど、それを無視すればかなりツボな作品。あと、人によってはBL妄想の余地が鼻につくかも。高殿円といえばカーリーが素晴らしかったが、思えばあれもやや女性向けか。

*1:ハーレクィンあたりにはありそう。