秋期限定栗きんとん事件(下)

巷でいろいろ騒がれてますけど、今回は小佐内さん黒くなくない?
すごくまっとうな復讐だと思いますですよ?
そしてとっても楽しそうでした。
最後の科白は予想できたけれど、でもまあ、ごちそうさまでした。
上巻では小佐内さんマロングラッセ計画編で、下巻の締めは栗きんとん計画開始編ってことですね。まぁ、下巻の前半も栗きんとん計画編と言えないこともないですが、対象が違うしなぁ。
……と、上下巻とも読んだ人にしか解らないネタはおいといて。


放火犯は小佐内さんなのか……いやでも小鳩くんの仰る通り、小佐内さんにしてはやり方が変というか、意味が無いというか。そんな感じで読者を煙に巻く小鳩くんサイドと、瓜野くんを通してしか描かれない小佐内さんサイド。
読者的にはなんとなく小佐内さんじゃないだろうというぐらいに思わせておいて、小佐内さんの行動にはちゃんと彼女らしい思惑がありましたとさ。読者的には期待通りの行動原理ですが。


でもやっぱり小鳩くんと再会してからの会話が素敵。終始にやにやがとまりませんでした。
ところで、「わたし、知りたかったの」と、某千反田女史の「わたし、気になります」が被って聞こえたのは私だけ?
そのうち古典部のほうでも同じ文脈で「わたし、気になります」が聞けるんでしょうか?


と、それはともかく以下ネタバレ。
結局また一緒になることに決めた二人。でも小鳩くんも、地の文でこそ

……ただそれだけなら、ぼくはいま、こんな気分にはなっていないだろうと思うのだ。

なんて語っていますが、結局何と言ったんでしょうね?
それにしても、この流れで再びつきあい始めるというのは、ただの互恵関係ではないってことなのでしょうけれど、小市民を諦めるということで良いのでしょうかね?
冬期では全力の二人を見てみたく存じます。


そういえば小佐内さん、夏期でこんなこと言ってましたよね。

「残るのは、傲慢な高校生が二人なんだわ……」

一年普通の男の子と交際した結果、これです。

「この子、他愛ないなって」

……おいおい。


それにしても、この科白、一年前の夏には縁日で狐面かぶって小鳩くんに幼女扱いされ、下駄で脛を蹴りあげた人の言葉だと思うと笑いが……。
まあ、上巻のマロングラッセ計画の最中でも、「おいたは、もうだめ」だなんて、思いっきり子供扱いしてましたけど。


そんでもって、その他愛ない子を相手に、

「(前略)……今回はそうするしかないって思ったから、やったのよ。いつもはこんなことしないんだから」

そっかー。小佐内さん、自己防衛はともかく、復讐よりも意趣返しの時のほうが攻撃力高いんですね。*1


ところで小鳩くんも小佐内さんもお互いに恋人作って楽しんでいたのだけれど、堂島氏の交際はどうなったんでしょう。
夏期のラストで「隠さなくなった」とは書かれてたけど、秋期では一言も触れてませんよね。あっさり別れてたりするんでしょうか?
そしてちょっと仄めかされてた小鳩くんの中学時代の交際の話とか、冬期は果していつ出るのかとか……わたし、気になります*2

*1:まあ、今回は一番長く時間かけて復讐してましたけど

*2:実は古典部のほうが気になっていたり