付喪堂骨董店2
「アンティーク」という魔法のアイテムを巡る微妙な短編集。というよりそこはかとなくあざとく漂うラブコメ臭がお気に入り。
- 静寂
- 静けさを求める作曲家。と、音を消しさる鏡。そして、彼のメイドの死を予知してしまった刻也たちは、鏡を貸す条件で彼の家を訪れ、死因の除去に努める。
えーと、普通。完全に予定調和でした。この人の作品はオチが命だと思うのだけれど…。 - 自分
- クラスにコピーロボットを手にいれた人間がいると聞きつけ、探し初めた刻也。一方、その使用者はぐうたら贅沢三昧で…。
まぁ、一応オチはひねってありまして、○。咲の出番が無意味に演出過剰であざとかったのが難点。 - 死目
- 瞳の記憶を読み取るアンティーク。中でも彼女が魅かれたものは、死の直前に映る光景……。そんなゲストが刻也の「死を予知する瞳」を知ってしまったら、まぁ、どうなるかは容易く想像できてしまうわけです。そんな感じのサスペンスというかサイコホラーというか…ひょっとするとアクションです(ぇー。
そんなことよりさりげなく咲の能力について張られた伏線が気になる……。想像はつくけど。
- 化粧
- 刻也から渡された本を皮肉と受け取り、化粧の怪物へと突っ走る咲の物語。実に健全でもどかしくてつっこみどころ満載のラブコメ。
なんというか、ラブコメのヒロインってよく料理の味見をせずにひどいものをだすけど、咲の怪物化粧も似たような感覚なのかも。いや、鏡を見ても自分で判断もしてないわけで、もっと悪い。まぁ刻也の本の選択にも問題あるけど。*1それはそれとして、中盤からは素直に面白かったので良し。
- 作者: 御堂彰彦,タケシマサトシ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: 文庫
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*1:なんつーか、こういうのをコミュニケーション能力の欠如と言うんだろうなぁ。(by就活生)