猫と弁当と私。

内定式ということで東京まで一泊二日。
寝過ごしたら危ないと思って新幹線に二本余裕を持たせて出発した結果、集合時間よりかなり早く到着してしまった。おかげでせっかく京都駅で買った駅弁も未開封。駅の軽食店を見回し、ちょっと勿体なかったと感じる。駅弁は高い。通常の食事の二倍はする。というか、松茸に釣られて千円も出してしまった。
しかしながら、家から遠く離れて弁当を食べるというのも滅多にないこと。さて、どんな選択肢があるだろう。フードコートつきの大型店舗は見あたらない。店舗や駅のホームというのは避けたいところ。幸いにして集合時間までの余裕は90分以上ある。というわけで公園を探すことにした。
見つけた公園は300平米くらいで、その半分以上を花壇が占めており、残りは砂利道とベンチのみという長閑な場所。おまけに猫が二匹も登場し、とても幸せな食事時間だった。
猫は初め戯れる蝶を捉えんと奮闘していたものの、すぐに断念してこちらを向き、弁当を凝視。首輪はない。痩せこけているようには見えないものの、恐らく空腹なのだろう。しかしながら、猫の食べられるものが解らない私。たぶん鮭は大丈夫なのだろうけれど、残りはほぼ野菜とご飯。弁当ということで揚げ物も多く、ちょっと心配。
結論から言うと、鮭を与えた猫はもう一匹の見ていないうちに素早くたいらげ、ご飯は匂いを嗅いだものの放置。残すだなんて贅沢な!


それでも私は、確かに幸せだったのです。