偽物語(上)

化物語傷物語のシリーズ新作。
相変わらず「会話がすべて」な本です。
今回怪異に憑かれるのは暦くんの妹たち。


でも一番目立っていたのは戦場ヶ原でした。
散々すぎるツンドラな暴言の果てに、

「……やば、超格好いい」

って直球すぎる惚気がたまらない。
それにしても暦くん、
あの暴言にいちいちよく突っ込み続けられるもんだ。


さて、今巻の「かれんビー」は流石に「偽物語」と名乗るだけあって
まさに偽物な感じでしたけれども、
(それでも会話は面白かったから良いのです)
次は「つきひフェニックス」だそうです。
煽りで「吸血鬼を越える存在」的なことが書かれていただけに
今からわくわくものですが、
「偽」物語の下巻というあたり、何か嫌な予感が……。


火憐と月日。
栂の木二中のファイヤーシスターズという渾名から
どれだけ変態なのかと期待していたのですけれど、
まさか正義の味方ごっことは。
でもやってること自体はあくまでも正義の味方ってあたり、
割とまっとうなキャラクタで驚きました。
戯言や君僕関係者のごとく、もっと理不尽な性格だと期待していたのに。
暦の視点だとまさに「手に負えない」って感じなんだろうけれども、
読者的には戦場ヶ原や神原のほうがよっぽど酷いような……。
確かに異常な姉妹っていえばそうなんですけどね。
するがモンキー」で神原の相手になれたかもしれないくらいに
無茶な強さを誇る火憐も、いきなり包丁を持ち出す月日も。
でも、事件を真っ当に解決しようとするあたりが
ちょっと拍子抜け……。


ちなみにこの二人との間はまともなかけあい漫才がなくて残念。
他のキャラとの間には必ずあるのに。
というか、頁の半分以上は他のキャラと駄弁っているだけな気もします。
……毎度のことですけど。
そもそも妹たちとはあまり仲良くないって設定でしたっけ。


閑話休題、今回、暦のセクハラが酷いです。
神原も大概にしろという説はさておき。
千石のアプローチを完全にスルーし、神原のセクハラを全力で防御し、
羽川からの誘いにはヘタレな反応を返す暦。
なのに、八九寺には出会い頭から無茶苦茶です。
ていうかニコ動にて再現動画発見。
D
もう八九寺の声が野中藍で固定されてしまった……。

偽物語(上) (講談社BOX)

偽物語(上) (講談社BOX)