丸太町ルヴォワール

Tres bien!


3年前のとある不審死事件について行われることになった私的裁判"双龍会"。被告となった城坂論語は、事件当日屋敷に謎の女性"ルージュ"がいたというが、誰も彼女の存在を認めない。そんな論語の弁護を担当することになった瓶賀流と、流に呼び出された御堂達也。ルージュの存在を示す物証も無いまま、3日後に迫った双龍会で、彼等と相対する検察側に立つのは美剣士・大和。二転三転する論争の果てに、論語は無罪を勝ち取ることができるのか、そして、事件の真相は……という説明でだいたいあってると思います。


ミステリにして恋愛小説にしてコメディ。*1
二転三転する双龍会の展開はつっこみどころ*2が満載。でもなぜか成立してしまいます。だって私的裁判ですから。
数々の叙述トリックもまた面白く、二度読んで面白いという特典つき……たぶん。断言しないのはこれから再読するからです。
あと、舞台が京都なことも個人的に良し。地理が解りやすくて良いですね。地理あんまり関係ないですけど。
けれど何より素晴らしいのはラスト。終わりよければすべて良し。きちんとオチがついて伏線が回収されていて、ラストシーンも綺麗なので読了後にきちんと満足できます。


ところで箱に書いてある文章に一部重大なネタバレが含まれているのは気のせいでしょうか。

*1:敢えてラブコメとは呼びません。というかラブコメではありません。

*2:そういえば双龍会の舞台が○○ということですが、たまには誰かさんも観客に紛れていたりするのでしょうか?