死神姫の再婚

面白かった。
つっこみどころは多いですが、深く考えずに読めるのでOK。


アリシア・フェイトリンは結婚式の当日に新郎を殺され未亡人となり、ついた渾名が『死神姫』。事件の一年後、そんなアリシアを娶ったのは成り上がりの強公爵カシュヴァーン・ライセン。貴族だというのに供もなく一人馬車に揺られて来てみれば、暗い森の奥の陰気な城。「家に名誉と歴史が欲しかった。地方伯なら誰でも良かった。あなたは大人しくしていてくれれば良い(意訳)」「良かった。だってうちにはそれしか残っていないんですもの(意訳)」アリシアはホラー小説が大好きだったので、不気味なお城で暮せることにわくわくしていたのでした。めでたしめでたし。……という出だしから解るように、呑気な少女アリシア(15歳)が周囲の人間を振り回す物語です。要するに「青髭VSアラレちゃん」だと思っていただければ(違


奔放で呑気なアリシアに振り回されるカシュヴァーン及び周りの人々が面白いというか可愛いというか……。
カシュヴァーンの言い付けを散々破るアリシアにちょっといらいらさせられますけれど、15歳じゃあしょうがないのかも。そして気がつけば本気で惚れているカシュヴァーンにロリコン疑惑。ていうか国に無理矢理作らせた地位が「強公爵」ってちょっと中二病っぽいような気もします。いくらなんでも「強公爵」はどうなのよ。心に中学生でも飼っておられるのでしょうか。*1


そして極め付けは下記の会話。なんてBLor百合二次創作を意図した会話なんだ……!(笑)
ていうかレーベル名からしてアレですが。

「(省略)……いっそ愛人にでもなるか? 俺の奥方はその手のことには大変寛容でな。メイドの愛人程度ではびくともしないんで、少しぐらい嫉妬してもらおうと思っているんだが」
「本当だな本当だな本当に僕を愛人にしたいんだな? じゃあ後でお前の部屋を訪ねるぞ後悔はしないな!?」
(省略)
「……いっそ私、奥様の愛人になりましょうか。競争相手も少なそうですし、狙い目かもしれないですわね」

続編で本当に訪ねているんじゃないかと期待している自分がいる。
続編が楽しみ。

*1:とは思ったものの、でも貴族って割とこういうことよくやっているような気も。