操り世界のエトランジェ 第一幕

変態バトルもどきラブコメ、とでも言いましょうか。第11回スニーカー大賞《奨励賞》受賞作。
ちなみに購入理由の半分くらいは表紙の斗貴子さん刃物少女。体内から飛び出す刃のせいで戦うたびに服がずたずたになります。それなんて(ry
イラスト買いとはいえ、後悔はしていない。確かにかなりちぐはぐツギハギな感じのシーン接続や未回収伏線が目立つものの、思った以上に面白かったので。
まさに「やられた!」ってな感じのラストが好き。よく考えれば想像つかなくもないオチだとは思うんだけど、すごく清々しい気分になりました。裏切られるって素敵。
そしてモロに続編を意識したタイトルの癖に終わり方は別に続編を必要としていないという不思議な結末。これ次巻以降どうする気なんだろう?

繰り世界のエトランジェ〈第1幕〉糸仕掛けのプロット (角川スニーカー文庫)

繰り世界のエトランジェ〈第1幕〉糸仕掛けのプロット (角川スニーカー文庫)

生き物が動けるのは神の操り人形であるから、というトンデモ設定(褒め言葉)を前提にし、「その糸を視認し、触れて操れる」というなんとも反則気味な能力者である主人公・透真。町内の連続殺人事件を追ううちに全身刃物少女のカタナに戦いのイロハを教えられたり、押しかけ戦闘メイドの冥にカップラーメンを作ってもらったり、裏切りがたくさんあったり、他人を操って戦わせるのはだめでも戦闘相手を直接操るのはOKみたいな奇妙な論理を展開したり、愛が無敵だったりする物語。
この透真の性格があっちにふらふらこっちにふらふらで一定しない印象こそあるものの、そんなことはどうでも良いくらいに変態っぷりが全てを覆い隠していたりいなかったり。戦闘後のカタナに対する仕打ちとか、真顔ですることじゃないだろうに。
以下、ネタバレな叫び。
なんでカタナがヒロインじゃないねん?
思いっきり単独で表紙飾ってるやん!
いや絵的に映えるのは解るけど!
本編でもさんざん透真に脱がされてるやん!
……編集部と作者の間で意見がずれたからって……そんな……。