“文学少女”と穢名の天使

前巻でも美羽の影がちらついていましたが、この巻でもいろいろとちょっかい出しているようで。で、それとは別に、かなりひどい物語でした。出来ではなく、悲劇、という意味で。ついでにどうも今回は、場面転換が無茶苦茶だったような気がしてならない。
琴吹篇というだけあって主役は琴吹さんでした。心葉くんとのフラグも投げ捨ててて親友のために頑張っているわけですが、ちょっと純粋すぎるような気も。でもあの中途半端な告白にはかなり不満。過去形な上に、そこで場面転換するのってどうなの?というかなんで心葉くんの反応を書かなかったんだろう?
それにしても、残酷というか報われない物語。話を複雑にするためなのかどうかは知らないけれど、無駄に悪人が多かったような……。そしてあの場であれだけ平気に振る舞える遠子先輩は結構えぐい性格というか、かなりタフな精神構造なのだろう。どこまで解っていたのかは謎だけれど。ところで夕歌視点での物語はかなり面白いんではないかと思ったり。
それにしても、なんだか消化不良な巻でした。オペラはあのまま中止になったのか、とかね。やっぱり冒頭にも書いた通り、中途半端に切れすぎるシーンが多いからかな。

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)