鳥籠荘の今日も眠たい住人たち (3)

有生ひどい!(笑)
裏表紙のキズナを見て「なんじゃこりゃ」と思っていたんですが、まさにそのまんまなシーンが……!
うーん、それにしても、殺人事件とは。
感情ぐるぐるな青春的要素とかふわふわしたファンタジー気味な要素はともかく、そういうのとは無縁な物語だと思っていただけに、ちょっと吃驚。


で、以下ネタバレです。

加地くんちと山田さんち〜A Night in Panic SIDE-A〜

華乃子嬢の級友である加地梢太が、母親を連れて山田家に遊びにくることに。
その理由も、梢太の母が華乃子の父に惚れたから。
で、山田パパの着ぐるみに疑問を持った梢太がお節介にもその中の人の素顔を見ようと奮闘する話。
ていうかパパの生態がますます謎に包まれた気がします。着ぐるみのまま風呂に入って華乃子にドライヤで乾かされるって……中の人の衛生環境は大丈夫なのでしょうか?
そしてついには尻尾に痛覚があることまで判明。
「これは本当にファンタジー設定か?」と思いきや、実は背中にチャックがあったり。
うーん、よく解りません。

明日夜9時、と言わせるまでに2週間かかった、というだけの話〜A Night in Panic SIDE-B〜

2巻のラストから喧嘩したままのキズナと有生。
たまたま乗り合わせたエレベータが停電に遭い、閉じ込められてみたり。
だからといって、そこでキズナを踏み台にする有生がひどすぎる。
「明日夜9時」は言えなくても「踏み台になれ」は言えるのか……。
肩に立たせるのは危険だとしても、肩車くらい提案しましょうよ……むしろそのほうが高さを稼げるでしょうに。
まさかセクハラっぽくて言いだせなかったとか?
ともかくまぁ、そんな感じでお互いに意地をはってばかりで楽しいような疲れるような。
インスタントラーメンのくだりが素敵すぎる。

「麺を煮込んで卵を落とすくらいなら、幸いなことにわたし、たぶん得意だわ」
「なんなら作らせてやってもいいぞ」
「なんなら作ってあげてもいいわ」

ああ、部屋で読んでて良かった。電車の中で吹きだすわけには行きませんから。

アッサム・メレンをミルクティー

有生が殺人事件の容疑者として警察へ。
捕まったまんまのほうが健康的でしょ、とは言いつつも真犯人捜しに奔走する由起。

「華乃子ちゃんが法律の勉強をして弁護士先生になるのを待つよりも手っ取り早く有生を助けるためなんだけど、協力してくれるかな?」
「わたしが弁護士になるのにそんなに時間はかからないと思うわ」

華乃子嬢、最高です。世の中なめきっています。
あと、屋上で人質にされているというサスペンス展開なのに、なぜか笑えてしまう、そこが鳥籠荘クオリティ。
犯人じゃなくて有生のせいですが。

着ぐるみには着ぐるみを?

着ぐるみパパの愛くるしさを堪能するため(敢えて断言)のおまけ話。
加地くんのママとのデートに誘われた山田パパを尾行する華乃子と有生と由起。でも着ぐるみに仮装って、普通に考えたら余計に目立つだけでは?
260ページの挿絵が素敵。
しょんぼりパパと、心配そうな華乃子と、楽しそうな由起と、やさぐれ有生。見所盛り沢山ですね。