あかね色シンフォニア

これはひどい。もっとやれ。
難点は盛り上がりに欠けるところかと。
本を途中で置いても「一刻も早く続きが読みたい」という気分にはなりません。


フォルマント・ブルー、熾天使たちの5分後、幽霊列車とこんぺい糖、あまがみエメンタール……と続いての本作。*1
今までの作品には生きるとか死ぬとか厭世感とかそういうものが漂っていたわけですが、元気で無邪気でゆるゆるな女子校部活物語です。「楽器が弾けなくても、音楽は創れる!」を合言葉に、主人公がDTM(デスクトップミュージック)に入門する物語。
一言で言えばDTM版「けいおん!」みたいな話です。「けいおん!」見てない私が言っていいのか解りませんけど。要するに、特にシリアスとか熱い展開とかはありません。強いていうとDTMの入門小説みたいな。
「フォルマント・ブルー」復刻版はこの本の二箇月前というタイミングに合わせたのでしょうけれど、感性が違いすぎるんじゃないかと心配になります。一迅社の考えが読めません。


見所は……強いていうと、先輩の変態さに痺れて憧れておけば良いんじゃないでしょうか。あとはDTM入門小説としてご活用ください。
よく考えるとストッキングを脱がしてポップガード作成のくだりなんて、強制した張本人はともかく、一人で「ゆずちゃんの匂いがする……」とか言ってる主人公も変態ですし、制止しない部員たちも……。

*1:他にも2作ありますが未読。